今月のトピック(今回はマンガもあるよ✏️)
☠️”Design is Dead”な時代のデザイナーの生存戦略
🍳「FOODVATION」はじめました。10月20日、新大久保で食の未来の話を。
🤿新大久保ダイバーズ #1 | 新大久保エッセイ byまゆ
📢デジタルハリウッドSTUDIO渋谷で講演!
✍️編集後記
☕️おつかれさまです。コーヒー片手にどうぞ。
私たちは「なんかこんなんやりたい、をカタチに。」を合言葉に、企業や地域のプロジェクトに伴走するデザインファーム、通称スタホリです。本日も、あなたのちょっとひと息になりますように、ニュースレターをお届けします📮
☠️”Design is Dead”な時代のデザイナーの生存戦略
こんにちは、CEOの堀内です。
ちょっと前に海外のデザイン界隈で「Design is Dead」という言葉が飛び交っていました。AIで誰でも作れちゃうからデザイン業はもう終わりだ、と。この夏にはFigmaが「デザインの葬式」という企画をやってました。
ただ、歴史を遡るとこの手の話は初めてでもなかったりします。古いものは1930年代から言われ続けており、新しいツールが現れるたびに似たような議論が出てくるようです。
とはいえ今回は笑ってばかりもいられません。東京商工リサーチによると、2026年上半期の「デザイン業」の倒産は40件。前年同期の約2.7倍で、14年ぶりの高い水準だそう。こりゃ人ごとじゃないぞ。。
過去の「死」でも消えた仕事はありました。写植や版下はDTPに引き取られ、それでもデザイナーは、紙からWebへ、アプリへと求められる場所やスキルを引っ越して生き延びてきた。
では、AIが台頭する今、デザイナーの役割はどこへ移るのか。発注する側の椅子に座って、考えてみます。
AIは、「作る」を安く、「決める」を高くした。
プロンプトを打てば誰でもデザインができる時代に、企業はもうデザイナーを必要としないのか?ぜ〜んぶAIに任せちゃえば素晴らしく素晴らしいデザインが手に入るのか。
ここで興味深いレポートをご紹介。MIT Media LabのNANDAが2025年7月に出した調査レポートによると、企業が試した生成AIのうち、収益として測れる成果が出た取り組みはわずか5%だったそうです。AIモデルの性能というより、ツール自体が現場を学習しきれず、効果的なアウトプットに結びついていない、ということみたいです。
出典:https://mlq.ai/media/quarterly_decks/v0.1_State_of_AI_in_Business_2025_Report.pdf
このレポートはデザイン業を対象にしたものではありませんが、構造は同じ。
文句も言わず昼夜も問わず働いてくれるAIは、(トークンの続く限り)デザイン案を無限に出してはくれます。確かに作ること自体は安くなった。けど、、解決すべき問題をちゃんと把握したアウトプットかというと、前述のレポートのようにまだ難しそう。
そして、その良し悪しの判断は毎回まるごと人間に戻ってくるわけですよ💦何かを決めるって「捨てる」こと。生成された100案から1案を選ぶって、99案を捨てることなわけで、案が増えれば増えるほど、捨てる判断も、捨てた責任も膨らみます。つまり決める側の負担は増大する。
そもそもですね、、
本当に欲しいものを定義できる人ってそういない。
そう、、仮にうまくAIが学習してくれたとして、、この問題は残り続けます。これまでたくさんのプロジェクトに関わりましたけど、そもそも発注側も本当は自分達が何を欲しいのか、はっきり定義できない事が多い。だって企業や事業が抱える課題ってそんなシンプルじゃないですから。
誰に向けて?何を届ける?解決のための方法や必要リソースは?意思決定フローは?全部わかってるならとっくに解決できてるはず。でも、ないない尽くしな状況で複雑な問題をパッと解けるほど世の中甘くはないですよね。(まあ、だからこそ仕事は面白いんですけどね😊)
デザイナー側から見たら、要件を聞き、設計して、納品、って順番は最初から答えが見えている仕事にはよく効きますが、新しくて複雑なプロジェクトではこれが成り立たない。要件が決まらないから実装に入れないし、実装してみないと要件も決まらない。って局面は、企業活動において割と多い。
要件と実装のあいだに、立つ人が要る。
そんな中で、要件と実装のあいだに立てることが大きな価値を持ちそうです。
いま話題のFDE(Forward Deployed Engineer)という職種は、まさにこれですね。顧客の現場に入り込み、要件を聞く代わりに動くものを見せて、決定を前に進める人たちです。コンサルのように提言して去るのではなく、自分でコードを書き、使われて成果が出るまで居続けます。ビッグデータ解析のPalantir社が提唱し、OpenAIも東京を含む8都市にこうした役職を置いているそう。
複雑で新しい問題では、顧客は動くものを見るまで、自分が何を必要としているか分からない。その時に、問いと仮説を持ち、先に叩き台を出して、クライアントの反応で検証する、というFDE的アプローチは確かに有効に働きそうです。うだうだ御託を並べる暇に「百聞は一見に如かず」な叩き台をつくれば、判断も早いやん!てことですね。
ただ、なんでも作ればいいわけでもない。良質な仮説がないまま出した叩き台は、議論をむしろ混乱させたりもする。先述のPalantirも、手を動かす役(Delta)と、どの課題から解くかを決める役(Echo)をセットで置いているそうです。(それを一人で出来たらスーパーマンですね!)
この話に、デザイナーの新しい役割のヒントがありそうです。
デザイナーの居場所は、意思決定の隣へ移る。
つまり、デザイナーの居場所は言われたものを作る下流から、複雑な課題を解きたい企業の意思決定者の隣へ移る。初期から積極的に関与しプロジェクトのビジョンを可視化、プロトタイピングで良質な意思決定を引き出し、デザイン実装に至るまでプロジェクトを推進する。
造形の力は、要らなくなるどころか逆かもしれない。プロジェクト初期には抽象的な言葉で気持ちよく合意できていたのに、具体化しようとした瞬間、隠れていたズレが噴き出す。抽象で合意していたものが、具体で破綻する。そんなこともよくありますよね。そんな時に造形に落とす力が効いてくると思います。
スタホリもそんな仕事の仕方をしてるんじゃね?
今手がけてるプロジェクトは頼まれてもいないおせっかいの「動くモックアップ」を持ち込んだところから始まりました(AI勉強会がいきてる!)。そういえば、ポン・デ・ライオンだって自主提案から始まった。今日の話はボクら自身の生存戦略でもあります。要件が決まる前に呼ばれるデザイナーに、ボクらはなりたいです!
あなたの会社に何か止まったままの案件ありませんか?ふわっとした課題のままでいいので、一度ボクらに聞かせてください。動くものにして、お返しします。
🍳「FOODVATION」はじめました。10月20日、新大久保で食の未来の話を。
つづいて、スタホリCEOの堀内からお知らせいたします!
この夏、スタホリは「FOODVATION(フードベーション)」はじめました!
FOOD+INNOVATION。食の新規事業や、新しい食のカルチャーに挑戦する人たちを応援しながら、僕たち自身も食の未来をつくる側に立っていく。そんな活動の旗印として、「FOODVATION」という言葉に閉じ込めてみました。
そして10月20日、その最初の一歩として「FOODVATION Connect Day」というコネクトピッチイベントを新大久保で開催します🙌
FOODVATIONが目指すのは。
「フードテック」、最近よく聞きますよね。代替タンパク質、AIによる食品ロス削減、3Dフードプリンター、調理ロボット。その世界市場は2050年に279兆円(2020年の約12倍)と予測されています(すごい変化だ!)。
ところが日本のフードテック投資額は、米国の約2%(2021年)。世界一の美食の国と言われているのに、新しい食への投資はまだまだ薄め。日本の食の挑戦者は「世界的には追い風、国内ではまだ仲間が少ない」という状況とも言えるのです。
面白がって聞いてくれる仲間に。「うちの技術と組み合わせたら?」と言ってくれる誰かに。背中を押してくれる支援者に。その出会いを作れたら、プロジェクトは動き出すはず。
だからFOODVATIONは、フード系スタートアップの次の一歩を応援する取り組みとして立ち上げました。ゴールは、食の挑戦者が「みんなと話したら、プロジェクトが動いた!」と言えている状態。その手法としてFOODVATIONの旗印とともに、スパイス香るこの街から、食の未来を語れる仲間の輪をつくっていきます。
……ちょっと暑苦しいですかね(笑)。でも、本気です。
10月20日開催!はなす、つながる、うごきだす「FOODVATION Connect Day」
FOODVATION Connect Dayは、フード系スタートアップのネットワークピッチイベント。食領域の挑戦者がビジョンをピッチし、それを聞くのは、食品・流通・製造などの企業をはじめ、投資家・VC、生産者、料理人など、食に関わるさまざまなプレイヤー。
でも本当に見たいのは、その後の景色。立ち話で「うちの工場、試作に使えますよ」「一緒にやりませんか」が生まれ、数ヶ月後にK,D,C,,,のキッチンでその2社が本当に試作している。そんな景色。名刺交換で終わらず、動き出すところまでを、応援したいんだ。K,D,C,,,は、スタートアップ支援も行う実装型フードラボの姿も持っているんです。
優勝とか評価とかよりも、その後に続くひとりの連絡先のほうが事業を前に進める。だから「コンテスト」から「コネクト」へ。
現在参加者募集中です!
ピッチしたい挑戦者ご本人はもちろん、「あの会社に出てほしい」という推薦に心当たりがあれば、ぜひご連絡ください◎
最後に、 なんでデザイン会社がやるのか。やりたいと思ったのか。
よく聞かれますし、僕たちも自問自答してとにかく考え抜きました。
たどり着いた答えはシンプル。僕たちが掲げる「なんかこんなんやりたい、をカタチに。」を、必要としている贈り先のひとつが、スタートアップ企業だからです。ビジョンと意志をエンジンに、まだ形になっていないものをどうにかカタチにしたいともがく人を応援するために何ができるだろう?って、思ったんです。
しかも僕たちは食を、カラダで知っている。自社製品としてクラフトコーラをつくり、キッチンカーで10円の原価アップに頭を抱え、いまは実践型フードラボ「K,D,C,,,」を運営している。食の挑戦者の悩みは、他人事じゃない。
10月20日、新大久保でお会いしましょう。まずは、食の未来の話を、わくわく、うきうき、はなすところから。「うちも何かできるかも」「あの人を紹介したい」という方は、このメールに返信でも大歓迎です📮
🤿新大久保ダイバーズ #1 | 新大久保エッセイ byまゆ
スタホリが拠点とする新大久保のディープでカオスな街から、食やデザインのヒントを深掘りする連載企画「新大久保ダイバーズ」!
今回はスタホリのデザイナー”まゆ”が担当し、エッセイマンガを仕立てました(ちなみに、新大久保ダイバーズのロゴも彼女が作ってくれました!)3コマ目のおいしそうな料理の絵も、ひとつひとつ手作業。どうぞお楽しみください🫱🫱🫱
📢デジタルハリウッドSTUDIO渋谷で講演!
8月26日、CEO堀内がデジタルハリウッドSTUDIO渋谷にて「ポン・デ・ライオンから学ぶ デザインとブランディングの正体」と題するセミナーに登壇しました。デザインを学びはじめた方を中心にデザインでキャリアを積んでこられた方にもご参加いただきました。
ポン・デ・ライオンの開発秘話から始まり、今回のメルマガでも書いた「AI時代のデザイナーの生存戦略」な話も盛り込み、私がいま一番考えていることを、そのまま持っていった、笑いあり、涙あり、な90分。満足度アンケートも「4.7点」いただけました!
教育機関や企業での講演も是非ご依頼くださいね。
✍️ 編集後記
今月はAIの話をずいぶん書きました。AIで「作る」が安くなった、だの、案は無限に出る、だの。 その同じ号にデザイナーまゆちゃん手描きの新大久保マンガ! 3コマ目の料理もあれ全部手で描いてるんです(うまっ!)。 AIでも絵が作れちゃう時代、それでも手描きされたものって、その人が何をどう感じたかまで伝わってくる気がします。「 作る」が安くなる時代に、それでも手で作る意味はどこにあるのか。 1本目でさんざん理屈をこねたけど、答えは3本目にあるのかもしれない😊アナログも大事にしたいSTUDIO HOLIDAYです。あ、リアルイベントFOODVATIONもお楽しみに!
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